エラーが発生しました。

児童養護施設を巡っては、国の方針により里親委託などの「家庭養育」を優先し、施設養護においても地域のなかで家庭的な環境で生活できる小規模化の制度化にともなって、大舎制から小規模グループケアへの転換が進む最中である。本書では、小規模化に対応した事例を軸に、その他の施設を含んだ集合的な計画事例に着目した。一棟のみの設計では完結せざるをえない計画でも、群として計画を捉えることで、地域社会へ浸透するきっかけや、公私における領域の再定義など、施設が目指すべき方向性が見出せるのではないだろうか。また、児童発達支援センター等は、近年極めて社会的需要が高まっている。これまでの量的拡大のフェーズから、専門性の高い支援や地域・家族との連携を重視する「質の追求」のフェーズへと移行しており、建築設計が果たすべき役割は、単なる居場所づくり以上に高度化している。児童福祉施設としての厳しい基準を遵守しながら、いかに「施設らしさ」を払拭し、子どもたちが安心と誇りをもって暮らせる場所を構築できるのかが問われている。