構造解析のための有限要素法

北村 充 著

4,400円(税込)

共立出版

 本書は構造解析のための有限要素法に焦点を当て、基本となるアイソパラメトリック要素から、物体の変形を適切に表現するように開発された高性能な要素の理論と特徴をわかりやすく説明する。
 「せん断ロッキング」が発生すると、妥当な変位解が得られない。これを回避する最も簡単な方法は「次数低減積分」である。有限要素法の応力解は要素の特定の位置で高精度になるが、その他の位置、特に、節点位置の精度は低い。この現象は近似関数と数値積分に密接に関係し、次数低減積分の根拠にもなる。これらの関係も解説する。
 どの程度の細かさでメッシュ分割すればよいかは構造解析をする人にとって悩ましい問題の 1 つである。メッシュ細分化と解の精度の関係を近似関数に基づいて説明する。一方、構造要素はどんなにメッシュ細分化を施しても仮定の壁を超えられず、意味のない細分化になる恐れがある。この点についても説明を加える。
 将来、構造解析に携わる方にとって重要となる各種要素の特性理解のために、ハンドブックとなる 1 冊。工学部学生・大学院生・研究者・技術者など幅広い層の利用を念頭に置いている。
本文 2 色刷り。