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「――そろそろ覚悟を決めてくれないか。私に愛される覚悟を」
南海国には、支配層の貴種、一般性の平種、産むことに特化した薫種という三つの性があった。希少な黒翼を持つ有翼人の平種・飛蘭(フェイラン)は、美しい歌声で季節の移り変わりを知らせる『渡り』を終えてすぐ、『翼狩り』に襲われ片翼を失い、さらにその衝撃で不完全ながら薫種へと変異してしまう。動揺する飛蘭を支えたのは、『翼狩り』の襲撃から救ってくれた剛毅と謳われる南海国の王・豹雅(ひょうが)だった。
豹雅に心も救われた飛蘭だが、国にとって貴重な薫種は『薫貴楼』――貴種のための遊楼であり、花嫁選びの場への入楼しなければならず……。
そうして入楼したその日、飛蘭を指名したのはもう会うことはないはずの豹雅。彼は飛蘭を『運命』だと言って……!?
運命を愛し抜く貴種×使命を失った薫種の、中華風溺愛オメガバース!