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「祝祭日」は歴史や社会を映し出す鏡である。
祝祭日は、人々の年間の生活サイクルに組みこまれた身近な存在である。何を祝うために設けられ、どのような経緯で始まり、どのような変遷をとげてきたのか。それぞれの祝祭日には歴史があり、それを知ることは、その国の歴史や社会を理解する重要な手がかりとなろう。カナダの場合、全国レベルの祝祭日もあれば、州や地域独自の祝祭日もあり、それらのなかには、移民・先住民・宗教に関するものも少なくない。これらの祝祭日は、英仏の植民地時代を経て大英帝国から自立した歴史、米国とは似て非なる展開をとげてきた歴史、あるいは多民族・多文化社会の歴史などを反映しており、まさにカナダの歴史を映し出す鏡といってよい。本書は、カナダの祝祭日の起源や変遷を通して見えてくる、この国の歴史や社会を詳らかにするものである。
目次
第一部 全国的な祝祭日
第1章 西欧・キリスト教の伝統
【New Year’s Day,Good Friday,Easter Monday Christmas,Boxing Day】
第2章 母なるヴィクトリア【Victoria Day】
第3章 カナダの誕生日【Canada Day】
第4章 労働者の休日は、夏の終わり【Labour Day】
第5章 先住民との共生をめざして【National Day for Truth and Reconciliation】
第6章 アメリカとはちがう感謝の日【Thanksgiving Day】
第7章 戦没者の追悼【Remembrance Day】
第二部 州(地域)独自の祝祭日
第1章 フランス系カナダの特別な日【National Patriots’Day,Quebec’s National Day】
第2章 もう1 つのフランス系カナダでの祝祭日【National Acadian Day】
第3章 マイノリティ復権の日【Louis Riel Day,Civic Holiday(ノヴァスコシア州)】
第4章 最東端での特別な祝い
【St.Patrick’s Day,St.George’s Day,June Holiday,Memorial Day,Orangemen’s Day,Armistice Day】