工学系のための確率統計 ―MATLABとExcelによる実践入門―

福井 正博 著

3,300円(税込)

共立出版

 本書は、工学を学ぶ学生や技術者を対象として、確率と統計の基本的な理論をできるだけ具体例を使って直感的にも理解しやすいように工夫したテキストである。理論を現実問題へ適用するための手段としてのプログラミングやアルゴリズムの具体例を示し、問題解決へ向けた無理のないような導入を心掛けた。
 本書では、統計解析のための数式支援システムとして多分野で広く利用されているMATLABを使って解説を行う。MATLABはベクトルや行列を容易に扱うことができ、確率統計で用いられる数式に近い抽象度でプログラムが記述できる点やグラフの表示、データの取り込みが容易であるなどの利点がある。
 さらに、ExcelやPythonを扱っている読者にも活用できるようにしている。MATLAB, ExcelやPythonを使いこなすことで、実践的な理解と応用へ容易に繋げることが期待できるが、最初のとりかかりに至る部分でハードルが高く、普く活用がなされているとはいいがたい。本書では、このような学生や技術者に向け、これら有益なツールの導入部分の障壁を低くし、容易に使えるようになることを意図している。
 理論の部分を前半に配置し、後半をプログラミングとしているので、理論のみを習得したい読者にも対応している。本書を通じて、読者が研究や技術開発の現場において実験から得られるデータの信頼性や、本質的な問題点を解析する実践的な力を身に着けることを目的とする。