ジュラシック水族館へようこそ (DOJIN選書:100)

中島 保寿 著

2,090円(税込)

株式会社化学同人

日本産の化石からつくる古代生物水族館
唯一無二の紙上水族館で,心躍る体験をお楽しみあれ

もしも「古代生物水族館」をつくるとしたら……
それも日本近海に生息した水生生物の水族館を.
そんな妄想のような水族館の紙上建設が,いよいよ現実味を帯びてきている.
この水族館を構成すると目される,日本各地の絶滅した水生生物にまつわる研究の紹介をとおして,
発掘調査を始めるまでの手続き,化石発掘の手法,クリーニングから復元,論文発表まで,
知られざるエピソードともに,古生物学研究の醍醐味を大いに語る.
「古代生物水族館」完成に向けた研究は,まだまだ続く.

■化石から広がる世界と,科学研究の醍醐味を一度に味わえる,とびきりの科学読み物が誕生.
■巻頭カラー口絵では,日本の化石産地で発見される古生物をヒントに,過去の生物群集を再現.
 太古の日本の海にはどんな生物が生息していたのだろうか?
 水中の生物進化の歴史をたどる「古生物年表」も見ながら,想像力を膨らませてほしい.

<目次>
[カラー口絵]古代日本の海を覗いてみよう/古生物年表

第1章 化石からどうやって「古代生物水族館」を構築するか

第2章 私の古生物学事始め
 一 古生物学へのいざない
 二 はじめての化石
 三 アマチュア化石収集家との遭遇

第3章 いざ、発掘へ
 一 研究室配属
 二 はじめての単独調査
 三 白亜紀の海の生物たち
 四 ボーンベッドとの出会い
 五 化石の掘り方
 六 翼竜と首長竜の化石に出会う
 七 自分の力で掘る
 八 ボーンベッドの謎に挑む

第4章 魚竜を釣る
 一 歌津魚竜
 二 魚竜産地の意外な現状
 三 北上の化石の歴史
 四 魚竜館
 五 トライアシック・コースト
 六 化石のクリーニング
 七 化石からわかること、わからないこと
 八 古生物に関する論争

第5章 魚竜のおとしもの
 一 礫か? 歯か?
 二 コプロライト
 三 日本最古の「うんこ」はタイムカプセル

第6章 思わぬ発見の数々
 一 魚竜よりも古い骨
 二 無人島へ
 三 爬虫類ではない?
 四 ドイツとのつながり
 五 壁
 六 私には、古生物学者には、なにができるか

第7章 水生動物としての恐竜
 一 恐竜は水中でも進化した!
 二 魚食恐竜スピノサウルス
 三 スピノサウルスの真の姿
 四 スピノサウルス類のいた時代の日本
 五 海と陸とが交わるところ

第8章 化石発掘の心得
 一 化石掘りを始めるには
 二 化石発掘の注意点
 三 事前の準備
 四 化石発掘のコツ

第9章 古生物学者をめざす人のために
 一 古生物学を勉強するにはどうしたらよいか?
 二 古生物学者になるには
 三 大学からの古生物学
 四 研究ってなんだろう?