エラーが発生しました。
ASLE-Japan/文学・環境学会 設立30周年記念出版
自然と環境を人文学の観点から照射する論考を収載
環境人文学の蓄積と現在地を提示する
目次
◉はじめに──エコクリティシズムの「森」へようこそ【浜本隆三/甲南大学准教授】
◉序章(鼎談)──環境文学研究のこの10年【小谷一明(新潟県立大学教授)×喜納育江(琉球大学教授)×結城正美(青山学院大学教授)】
第一部 環境理論の先へ
◉人新世文学のオルタナティブ──梨木香歩『ピスタチオ』における緑のエージェンシーと気候変動のサバイバル【芳賀浩一(城西国際大学教授】
◉〈クィア・エコロジー〉〈トランスエコロジー〉の系譜学【森田系太郎(立教大学大学院兼任講師】
◉空飛ぶサカナ──『ダーウィンの悪夢』とイメージの転移【塚田幸光(関西学院大学・大学院教授】
◉「大デンマーク」幻想の解体と「幸福の国」への出発──ヘンリク・ポントピダン『幸福のピア』におけるユラン半島地方の開発【奥山裕介(摂南大学非常勤講師】
◉映画『リリーのすべて』にみるトランスジェンダーの身体と自然表象【岩瀬由佳/東洋大学教授】
◉映画『キラー・オブ・シープ』における日常としての屠畜場──1960〜70年代のロサンゼルス・ワッツ地区を背景に【江口真規/筑波大学助教】
◉隠喩としての猫を棄てる──動物愛護管理にまつわる構造的暴力と作家の倫理的選択【波戸岡景太/法政大学教授】
第二部 新しい共生を探して
◉(対談)文学と環境のはざまで【小谷一明×野田研一(立教大学名誉教授)】
◉私とタスマニア──ピーター・コンラッドに関する考察【黒﨑真由美/関東学院大学教授】
◉院生組織活動の歴史【伊東弘樹(早稲田大学大学院博士課程)・江川あゆみ(早稲田大学大学院博士課程)・笠間悠貴(明治大学非常勤講師)】
◉アイヌ文学のニュー・アニミズム【松﨑慎也/群馬県立女子大学教授】
◉ロバート・ハスとW・S・マーウィン──環境詩学による考察【高橋綾子/兵庫県立大学教授】
◉つながる日加の水俣病──『ミナマタ』とアイリーン・美緒子・スミスの貢献【岸野英美/近畿大学准教授】
◉柄谷行人の倫理と震災後文学【和氣久明/米国空軍士官学校助教授】
第三部 ネイチャーライティングの向こう側
◉『テンペスト』の海をめぐって──見えない海、曖昧な人間【高橋実紗子/聖心女子大学専任講師】
◉石牟礼道子と音──自伝『葭の渚』が語るサウンドスケープ【中村優子/順天堂大学、中央大学非常勤講師】
◉石牟礼道子『十六夜橋』の自然と記憶【山田悠介/大東文化大学講師】
◉ハイチ文学と環境──マリ・ヴュー・ショヴェ『愛、怒り、狂気』を中心に【齊藤みどり/都留文科大学教授】
◉テリー・テンペスト・ウィリアムス『大地の時間』における見つめ返す風景──惑星を想像するネイチャーライティング【清水美貴/青山学院大学大学院博士後期課程】
◉マーガレット・アトウッド『洪水の年』にみる言語の物質性と循環【巖谷 薫/早稲田大学大学院博士課程、日本工業大学非常勤講師】
◉宮沢賢治と牛──モナドロジーから読むその宇宙【大田垣裕子/兵庫県立大学名誉教授】
◉清潔さの暴力──フランク・ノリスの『ヴァンドーヴァーと野獣』におけるにおい【菅井大地/愛知学院大学准教授】
◉終章 環境的不服従の未来【辻 和彦/近畿大学教授】
◉おわりに【青田麻未/群馬県立女子大学専任講師】