シャーロット・ブロンテ

パッツィ・ストンマン 著, 樋口陽子 訳

2,400円(税込)

株式会社彩流社

新しいシャーロット・ブロンテ像を問う好著!

シャーロットの作品と人生の関わりを読者に分かり易く伝える。本書は入門書ながら、最近の文学理論や批評を踏まえて独自の分析を行い、特に力関係──家族内、社会階層間、男女間──に重点をおいて議論を進め、作家の奥深さを剔っている。

「原書の裏表紙」より
 シャーロット・ブロンテの『ジェイン・エア』は世界で最も有名な小説のうちの一つです。1847 年の出版以来、ヒロインの困難と誘惑への激しい反応は、熱心な読者を捉え続けてきました。けれども『ジェイン・エア』がシャーロット・ブロンテの唯一の小説なのではありません。この本は、シャーロットの豊潤な初期作品から、心をかき乱される最後の小説『ヴィレット』までの進展をたどっています。最終章は、シャーロット・ブロンテの世間的な人気と学問上の名声の変動と、彼女の作品の様々な改作や模倣について検討しています。小説をシャーロット・ブロンテの人生と時代という文脈に置いて読んで、ストンマンは、シャーロットが力関係、――家族内であれ、階級間であれ、男女間であれ――に常に関わり合っていたことと、シャーロットがこのようなことを探求した時の語り口の変化の策略を強調します。原典の頁ごとの言葉に丁寧に寄り添っている一方で、この本は、フェミニズム、文化的唯物論、ポストコロニアリズムという批評の観点によって、命を吹き込まれています。

【目次】
日本の読者のみなさまへ
略年表
略語 及び 関連翻訳書と参考図書
第一章 幼少期と初期作品
第二章『教授』
第三章『ジェイン・エア』
第四章『シャーリー』
第五章『ヴィレット』
第六章 読者及び翻案者
訳者あとがき
精選参考文献
原註
索引