トモダチ作戦の最前線

磯部晃一 著

2,400円(税込)

株式会社彩流社

震災と原発事故という大災害に自衛隊、約10万人、米軍も最大時1万6000人動員、艦艇約15隻、航空機140機が参加と、平常の災害出動とは全く異なる「有事」となった事態における両政府、自衛隊・米軍行動を克明に綴る。

【目次】
はじめに

3月14日のメモ
横須賀米軍基地で放射線を検知
なぜ、福島原発事故を学ばなければならないのか ほか

第一章 福島第一原子力発電所事故と自衛隊の対応

運命の時:2011年3月11日金曜日14時46分
福島原発事故への自衛隊の対応
3月11日:中央特殊武器防護隊(中特防)、福島原発へ
3月12日15時36分:一号機爆発
3月13日:中特防、オフサイトセンターに集結
3月14日11時01分:自衛隊「統合任務部隊─東北」の発足と
          三号機爆発
3月15日:政府・東電の統合本部設置
3月16日:危機は続く
3月17日:大型ヘリ、チヌークによる散水
3月18日以降:米軍統合支援部隊(JSF)編成へ
12月26日:「自行原命第22号」終結命令 ほか

第二章 日米両政府の共同連携

発災直後の米国の状況
日米合同調整会合設立までの経緯
3月11日:日米政治レベルでの最初のコンタクト
3月12日:日米首脳間のコンタクト
3月13日:リアルタイムの情報が欲しい
3月14日:ルース大使と枝野長官
3月15日:菅首相から北澤大臣へ
3月16日:防衛省による日米協議の開催
3月17日:苛立つ米政府
3月18日:相当やばいんじゃないの
3月19日:日米合同調整会合のトリガー
3月21日:総理の一声
3月22日:ホソノ・プロセス
総 括

第三章 自衛隊と米軍の共同連携

三つのキーワード:統合運用、日米共同、政治と軍事
発災からJSF設置まで 「総オペ」ではソマリア海賊対処中
その時、在日米軍司令部では 「トモダチ作戦」名称の由来
発災当時のハワイ太平洋軍司令部
史上初の災害派遣における「統合任務部隊─東北(JTF‐TH)」
ゴー・トゥー・ヨコタ マレン議長からの電話
ヘリ散水の決断は JSF司令部の創設へ
ウィラード太平洋軍司令官訪日の報 JSF発足のインパクト
いびつな関係:統幕とJSF
米軍の人道支援・災害救援活動(HA/DR)
日米共同連携体制の強化 JTF‐505
日米連携のバトルリズム定着 ワーストケースを想定した計画
空母艦上での日米イベント 北澤防衛大臣感謝の言葉
総括

第四章 震災以降の取り組み

第一節 各種事故調査委員会報告書等の教訓と提言
第二節 第二次安倍政権の誕生とその安全保障・危機管理施策

第五章 教訓と今後の提言

第一節 なぜ、日米合同調整会合発足まで11日間もかかったのか
第二節 提言──「トモダチ作戦」をサクセス・ストーリーとして
    終わらせてよいのだろうか
第三節 提言──危機に際して如何に臨めばよいのか

補 章 2011年、岐路に立っていた日本

おわりに

最後は「人」の育成
「人」に恵まれていた防衛省・自衛隊
「人」によって結ばれた日米同盟
真のヒーローは現場を支えた「人」たち