ウクライナ戦争と日本有事

河信基 著

2,200円(税込)

株式会社彩流社

米一国支配から米中二国支配か、多極化か!?

 決定的勝利が望めない〝特異な戦争〟ウクライナ戦争をめぐる国際政治の動向、特にプーチン、バイデン、習近平、ゼレンスキー、そして岸田首相の動きを軸に時系列的に詳述することで見えてくる戦争の行方とそれに伴って流動化する国際政治と国際秩序の今後を展望。断絶する日露、緊迫化する日中関係のなかで日本の選択は?

【目次】
序章──「日本有事」をいかに避けるか
 自衛隊の「敵基地攻撃能力」保有に怒る習近平──米海兵隊はグアムへ
 被爆地でのG7広島サミットで「核抑止」正当化、ウクライナ支援の最前列に
 プーチン、バイデン、習近平〝ビッグ3〟の因縁──30年前のNATO東方不拡大約束
 「矛」へと前面に出される自衛隊──背後に「日米合同委員会」
 岸田イニシアティブは可能か?──ほか

第一章 「台湾有事」ならぬ「日本のウクライナ化」
 2023年春、習近平体制の確立と対日観の硬化──緊迫の日中関係
 中露が南ア、イランとインド洋で合同軍事演習──狙いは?
 反日本軍国主義感情で中露を結びつける岸田外交
 ロシアが抱えるアメリカへの不信の根源──「1インチの約束」
 ウクライナ戦争は「バイデンの戦争」とトランプ前大統領
 「米国の下僕」筆頭格に浮上する岸田日本──ブレーキの利かない軍拡路線
 日本周辺での軍事衝突のリスクと中露による「対日特別作戦」
 Jアラートとともに始まった日本の軍拡

第二章 「日米同盟の抑止力」という古びた幻想
 中距離ミサイルを保有しないアメリカ──米ソINF条約締結の裏で力を付けた中国
 「台湾有事」は「バイデン有事」──米日の干渉排除に的を絞る中国
 国連憲章「旧敵国条項」による対日軍事制裁の名分とは
 「日本有事」に米軍が介入できない理由――軍事力で中露に劣勢
 安倍軍拡路線とは米軍指揮下で自衛隊が動くこと
 「軍事大国を目指す」と米誌「タイム」に紹介された岸田首相の自画像
 米国が日本を見限る日 ──ほか

第三章 「特別軍事作戦」から「重要軍事演習」へ、そして…… 
 「1インチの約束」と限定的な代理戦争としてのウクライナ戦争
 プーチンとバイデン共通の誤算──ウクライナの徹底抗戦
 米空母を封じた「重要軍事演習」──米軍への恐れが消滅した中国
 台湾海域、東シナ海における米中軍事バランスの逆転
 米国に「ノー」と言う習近平時代の幕開けとプーチンの東方シフト
 中露の歴史的な和解──米一極抜きの世界新秩序拡大
 習近平・プーチン会談で「日本有事」の議論か
 「核大国」と米国が認定した中国への「敵基地攻撃能力」保有は自殺行為
 中国の「核大国」化と新たなステージに入った“ビッグ3”の覇権争い
 東アジアの火薬庫は38度線(朝鮮半島)から南西諸島(沖縄)へ ──ほか

第四章 ウクライナ戦争の真実──プーチンの陰謀、バイデンの策謀、習近平の遠謀
 プーチンの原点と秘めた信念
 ロシア軍侵攻を誘引したバイデン大統領
 停戦合意を利用した電子諜報戦──「ブチャの虐殺」
 対露経済制裁ブーメランに足並み乱れるEU、日本経済も青息吐息
 「核大国」同士の「管理された対決」
 ポーランド領内「ミサイル着弾事件」──バイデンがゼレンスキーを見限った瞬間
 “ビッグ3”の壮大な世界史的な闘争劇は最終章へ
 「アメリカの夢」と「中国の夢」 ──ほか

第五章 ゼレンスキーは本当にネオナチなのか?
 連隊旗に鉤十字を掲げるアゾフ連隊と連携──「民族浄化」へと傾斜
 ウクライナのNATO加盟を焚きつけたバイデン副大統領(当時)
 「ブチャの虐殺」は周到な演出
 戦時独裁政権としての異論封じと新たな情報戦
 過激化したゼレンスキー政権、ロシア領内でテロ活動 ──ほか

あとがき