ロベール・ルパージュとケベック

神崎舞 著

3,500円(税込)

株式会社彩流社

ケベックの「文化の外交官」 という異名を持つロベール・ルパージュ!
彼はカナダ、ケベック・シティ出身の演出家であり劇作家、そして俳優である。

1992年、弱冠35歳で英国ロイヤル・ナショナル・シアターで『夏の夜の夢』を演出。その後も注目され国際的な演劇フェスティヴァルへの招聘や数々の受賞歴を持ち、着実にキャリアを積み重ねてきた。演劇だけでなくオペラやバレエ、さらにサーカスの演出を手掛け、映画監督を務めたり、さまざまなジャンルに挑戦し、観客層の幅を広げてきた。とりわけニューヨークのメトロポリタン・オペラにおけるヴァーグナーの『ニーベルングの指環』の演出と、カナダを代表するサーカス集団であるシルク・ドゥ・ソレイユの作品の演出は、ルパージュの名声をさらに高めた。その結果、彼は今やシルク・ドゥ・ソレイユと並んで国際的に知られ、英国のピーター・ブルックやフランスのアリアーヌ・ムヌーシュキン、そして米国のロバート・ウィルソンなど、自国の枠組みを脱して活躍する演出家たちと肩を並べる存在と見なされている。本書では、すべての作品を網羅するわけではないものの、年代ごとの傾向の一端を掴めることに加え、ルパージュの舞台表象とケベックとの関連を見出し、先行研究はもちろん、一般公開されていない資料やルパージュ本人及び制作者のインタビューなども参考にし、新たな視点を加えることを目指している。巻末にはルパージュへの三回に渡るインタビューを掲載。本書は、日本語で記されたものとしては初となるルパージュ作品に関する研究書である。

【目次】
序章  ケベック演劇史における位置づけと初期の活動
第一章 一九八〇年代
第二章 一九九〇年代
第三章 二〇〇〇年代
第四章 二〇一〇年代
終章  原点への回帰