【お試し読み】籠の中のアステラ

とある小さな大陸にはお互い助け合いながら歴史を紡いできた三つの国があった。
貿易の盛んなカルータ、軍事力に長けているドラドルド、自然豊かなエンブルー、それぞれの国の王子も幼い頃から仲が良く、穏やかな日がこのまま続くと思われていた――あの夜までは……。
その日、エンブルーの王子・アステラの元に『父がドラドルドの王を殺して自害した』という情報が入った。
事実を受け入れられず混乱するアステラだったが、真実を知るべくドラドルドの王子・ドルクの元に向かうことに。
幼馴染の顔に安堵するアステラに対し、ドルクは助ける条件として自分の側室になることを要求してきて――!?