鬼の太平記

沢 史生 著

2,500円(税込)

株式会社彩流社

菓子史に革命をもたらした林浄因一族の亡命。迎えた“河内の悪党”楠正成、正行親子。饅頭屋塩瀬に秘められた林一族のもう一つの顔と「非理法権天」を掲げた土グモの末裔・楠党の凄絶な生きざまを通して描く賤と貴の相克でみる南北朝争乱。

目次
はじめに──「潔さ」との出会い

序の章 菓祖・林浄因の日本亡命
開口神由来
千葉氏の一族・竜山徳見の入元
徳見の庇護者・林氏の元国脱出

第二章 はるけき南朝行在所
饅頭と砂糖の神話
山檗に仮りの住居を求めて
何を語る、菊水紋に非理法権天の旗風
正成殺しを企んだ南朝の貴族

第三章 生きていた正成
宮方に嫌われた賀名生行宮
菜摘の里、めぐり逢い
吉野三山と丹生の源流
正成と丹生と塩瀬

第四章 塩瀬氏 吉野に誕生
潰え去った南朝の大和鍛冶
菊の契り
菊水流転
終の栖か 甑島の正行墓
春を待つ鬼

「結び」にかえて

資料篇
楠氏系譜
饅頭始祖・林浄因にはじまる林氏塩瀬の系譜
関連年表
参考文献

奥付