表面科学の基礎(現代表面科学シリーズ 2)

日本表面科学会 編集, 板倉 明子 担当編集幹事

3,850円(税込)

共立出版

 表面科学は物理学、化学、材料学、結晶学、真空工学など、広範囲の知識の上にはじめて成り立つ応用学問であると同時に、半導体産業の微細加工から太陽電池、人工心臓や人工関節の開発、それらに必須である計測・分析装置にとって必要な基礎学問であるともいえる。そこで本書では次のような構成で表面科学の基礎を解説している。
 表面の定義とそこで起こる現象を入口に、結晶学の基礎、表面ゆえの緩和・再構成やダングリングボンド、吸着物による表面終端まで幅広く取り上げ、半導体表面や金属表面などの実例を示す。次に、電子分光による表面電子状態の解析を中心に、実際の評価法やそれに用いられるクラスター計算について、また表面のダイナミクスにおける最近の超高速現象の研究結果の物理的意味を取り上げる。さらに表面の分析法としてX線、イオン、電子、アトムプローブとプローブ別に解説し、最後に今や表面科学になくてはならない理論計算を取り上げる。