リーマンと数論(リーマンの生きる数学 1)

黒川 信重 編, 黒川 信重 著

4,400円(税込)

共立出版

2016年、歿後150年を迎えてなお、その業績がまったく色褪せない偉大なる数学者、ベルンハルト・リーマン。
その多岐にわたる活動を、数論・解析・幾何・思想の4つの観点から解説する新シリーズ刊行!

 ベルンハルト・リーマンは、19世紀に活躍した数学者である。1826年に生まれ、1866年に39歳で亡くなった。2016年、歿後150年を迎えたが、今でもなお、リーマンの業績は現代数学に生き生きと現れる。その名を冠した概念は、リーマン予想を始めとして、リーマンのゼータ関数、リーマン幾何学、リーマン多様体、リーマン面、リーマン積分、コーシー・リーマンの方程式など、分野を超えて、多岐にわたって現れており、まさに偉大な数学者といえよう。本シリーズでは、リーマンの活動を、4つの観点から解説していく。
 その皮切りとなる本書では、ゼータ関数やリーマン予想を中心とした、数論におけるリーマンの業績を解説する。リーマンの数論に関する論文は、1859年に出されたゼータ関数論に関する1編のみであるが、今もって未解決のリーマン予想が提示されており、現代数学にもなお多大な影響を与えている。
最初に、簡単な場合におけるゼータ関数を解説する。簡単とはいえ、リーマン予想の解決にも重要となるような概念が多く含まれている。次に、ピタゴラスから始まり、オイラー、ディリクレらの、リーマン以前の数論研究を解説する。そして主題である、リーマンの数論研究を解説する。最後に、リーマンの研究がその後の数論研究に与えた多大なる影響を、19世紀、20世紀、21世紀と、順を追って解説する。
 リーマンの数論における業績を理解することはもとより、数論研究のこれまでの流れを捉え、また数論研究のこれからをも見据えることができる、まさに格好の書となろう。