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工学系学生が半年間で学習する電磁気学の教科書として執筆したものである。電磁気学の学問としての流れを理解するうえで必要な内容に限定した。電場から始まる電気現象を説明し、電流からつくられる磁場へと展開する。電気双極子、磁気双極子を含む誘電体や磁性体を除けば、真空での電場や磁場に関する話題であり、電磁波についての記述は最小限にとどめた。一方で、電磁気学を理解するために必要な数学については、比較的記述量を多くするよう心がけた。
工学系の学生にとって、力学、電磁気学などの基礎物理学は専門分野の基礎となる重要な学問である。学生諸君が、本書を通じて電磁気学の知識を修得し、これまで科学者が明らかにしてきた科学的自然観の一端に触れるとともに、科学的なものの見方や合理的な考え方を身に付けることができればと期待する。