シャープ「液晶敗戦」の教訓

「日本型モノづくり」敗北の真の原因とは何か?

エレクトロニクス産業の最前線ともいえるスマホ市場では米アップルや韓国サムスン、中国シャオミがトップシェアを競い、日本陣営は蚊帳の外。トップを走った液晶事業でも台湾・韓国勢に惨敗。
なぜなのか。

理由を探るキーワードは、デジタル時代の「モジュール化」。モノづくりの現場は、最新のテクノロジーも数カ月で陳腐化するという後戻りがきかない不可逆的な大変化の波に洗われ続けているのだ。
日本陣営が、「世界で勝てない最終製品」を量産し、無駄な設備投資を続けた理由も、技術力のなかった新興企業がM&AとBtoBで技術を蓄積、低コストで競争力のある製品を生み出す理由も、モノづくりの劇的環境変化に対応できなかった者と対応した者との差である。

本書は「液晶事業の栄枯盛衰」「アップルとの確執」「ホンハイとの連携が壊れた本当の理由」「サムスンとの戦い」など、液晶事業という典型的な「日本型モノづくり」を関係者の証言とともに徹底検証。日本陣営敗北の真の原因を炙り出し、「すり合わせ国際経営」という画期的ビジネスモデルを提唱する。