殺す

J・G・バラード 著、山田順子 訳

東京創元社

土曜日の朝、ロンドンの超高級住宅地で住人三十二人が惨殺された。高い塀と監視カメラに守られた中で殺されたのはすべて大人。そして十三人の子どもたちは、何の手がかりも残さず全員どこかへ消えていた。二カ月後、内務省に事件の分析を命じられたドクター・グレヴィルは現場を訪れるうちにある結論に到達する。鬼才が描く現代の寓話。