人魚は空に還る

三木笙子 著

東京創元社

富豪の夫人の元に売られてゆくことが決まった見世物小屋の人魚が、最後に口にした願いは観覧車へ乗ることだった。だが、客車が頂上に辿りついたとき、人魚は泡となって消えてしまい──。心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師。明治の世に生きる若者の姿をあたたかに描いた、〈帝都探偵絵図〉シリーズ第一弾。表題作を含む五話を収録。