日本語学2021年春号(特集:ポップカルチャーの日本語)vol.40-1

宮地裕 監修, 甲斐睦朗 監修

3,410円(税込)

明治書院

◆ポップカルチャーの日本語
 マンガ、アニメをはじめとしたポップカルチャーは、日本文化の周縁から中核へと地位を高めており、国内だけでなく海外でも、広く受け入れられている。日本のポップカルチャー隆盛の基盤には、日本語がもつ、音声、文字、語彙、文法などの言語構造的な特徴や、地域方言、社会方言、役割語等の、社会言語学的な特徴もあるのではないだろうか。本特集では、日本のポップカルチャーの諸ジャンルを対象に、そこに用いられている日本語やその運用の特徴を、多方面から分析する。

○ポピュラーカルチャーのことば 金水敏

◯キャラとは何か 定延利之

◯役割語の先へ 冨樫純一
――役割語的表現への広がり――

◯ライトノベルの語り 泉子・K・メイナード
――キャラクター・スピークと間ジャンル性の観点から――

◯話芸の表現 野村眞木夫
――落語の語りにおける「自由さ」と「同じさ」――

◯ポップカルチャーのテクスト分析 山口治彦
――『食戟のソーマ』が示すグルメ漫画の現在――

◯方言とポップカルチャー 田中ゆかり
――「方言萌えマンガ」から探る両者の関係――

◯マンガのオノマトペ 小野正弘
――『名探偵コナン』を資料として――

○キャラと翻訳 宿利由希子
――登場人物たちを描写することばの変化――

○日本語の文字とポップカルチャー 松田結貴
――文字が表現する多言語性について――

○リズムからみた日本語歌謡曲 平田秀
――二〇一〇年代から二〇二〇年の楽曲を題材に――

○日本語教育の観点から見たアニメの日本語 臼井直也

【連載】

[甲斐睦朗エッセイ]………甲斐睦朗
[ことばのことばかり]………はんざわかんいち
[校閲記者のこの一語]………塩川まりこ
[国語の授業づくり]………小林俊洋