障害教師論―インクルーシブ教育と教師支援の新たな射程

中村 雅也 著

3,960円(税込)

株式会社 学文社

視覚障害のある教師20名へのインタビューからその教育実践を浮き彫りにする。また厚生労働省、文部科学省の政策分析を行い、実態調査をもとに障害教師への支援方策を業務支援理論で明解に提示した。障害のある教師について総合的に論じたはじめての学術書。

「障害教師論」は筆者の造語で、既存の確立した学問領域ではない。筆者なりにひとまず定義するならば、障害教師論とは障害のある教師をめぐる諸事象を調査し、実態を解明するとともに、障害のある教師を視座として、既存の教育を問い直す学問領域である。(本書「まえがき」より)

障害教師には排除と差別の厳しい歴史があり、現状も決して楽観視できるものではない。しかし、語りの中に立ち現れた視覚障害教師たちの教育実践は、それを跳ね返す力強さに満ちていた。それは支援の客体ではなく、既存の教育を変革する主体としての障害教師の姿であった。(本書「あとがき」より)