内視鏡システムへの取り組み/富士フイルムメディカル株式会社ほか[全6頁]

映像情報メディカル 編

500円(税込)

産業開発機構株式会社

従来の内視鏡システムは、ハロゲンランプやキセノンランプを光源としていたが、その白色光による観察だけでは、消化管の粘膜表面の微細な変化を捉えることは困難だといわれている。富士フイルムは2012年、2種類の半導体レーザーを光源として搭載した内視鏡システム『LASEREO(レザリオ)』 、2017年には『LASEREO7000』を販売した。白色光用レーザー(波長450nm)は蛍光体を励起し、スペクトル幅の広い白色光が体腔内に
照射され、高精細な白色光画像が得られる。もう1つのBLI用レーザー(波長410nm)はスペクトル幅の狭い青紫の光(短波長狭帯域光)を照射し、粘膜表層の微細血管やわずかな凹凸を強調した画像が得られる。このBLI用レーザーの発光比率を高めて粘膜表層の情報を強調したモードをBL(I Blue LASER Imaging)機能といい、がんなどの病変の視認性向上を支援する。
また、従来のキセノンランプは消費電力が300Wであり、高額なランプの定期的な交換が必要であったが、レーザー光源の消費電力は約10Wと省電力であり、1年間のランプ使用時間を1 ,000時間と想定した場合、医療機器の耐用年数である6年程度はランプ交換の手間が省けるという長寿命のメリットも実現した。