放射線治療システム『Elekta Infinity』の使用経験について/高松繁行(金沢大学附属病院 放射線治療科)[全5頁]

映像情報メディカル 編

500円(税込)

産業開発機構株式会社

当院では2018年5月に2台のライナックのうち1台を更新し、『Elekta Infi nityTM』(El ekt a 社、スウェーデン)を導入した。これと併せてC-RADシステム(C-RAD社、スウェーデン)として治療計画CT室に『SentinelTM』を導入し、そして治療室に『Catalyst HDTM』を設置した。本システムを用いることにより、従来のX線を使ったイメージガイド下放射線治療(IGRT)に加えて、患者体表面データを取得し、それを位置決め用のリファレンスとして使用する体表面情報を元にした無被ばくのIGRT(Surface-IGRT:S-IGRT)が可能となった。2018
年4月に画像誘導放射線治療加算の変更において、体表面情報によるS-IGRTにおいても保険請求が可能となったことは想定外であったが、無被ばくのS-IGRTを用いた高精度放射線治療の普及にとって追い風になると思われる。本稿では当院でのElekta Infi nityTMとC-RADシステムを組み合わせた高精度放射線治療の使用経験、そして2019年5月より開始したS-IGRTによるマーカーレスでの放射線治療について紹介する。