整形外科領域のさまざまなニーズに応えるCTと周辺技術/キヤノンメディカルシステムズ株式会社[全6頁]

映像情報メディカル 編

500円(税込)

産業開発機構株式会社

ヘリカルスキャナ登場前にはほとんど使用されることのなかった整形外科領域でのCTであるが、高速・広範囲・高分解能で撮影可能なマルチスライスCTの出現により、骨関節領域や高エネルギー外傷においてもCTが撮影されるようになった。もちろん、通常の一般撮影(DR、CR含む)と比較して空間分解能は劣っているが、観察したい部分(骨折があると思われる部分)に他の骨が重複して視認性が低下するなどということを避けることができる点、一般撮影では撮影方向によっては把握しにくい微細な骨折を明瞭に拾い上げることができる点、高分解能の元画像からVR処理などを行うことで骨折部分の自由な角度からの観察、不要な部分の削除により関節面を上から観察するなど、一般撮影では不可能な画像化を行うことができるのが、CTが骨関節領域に用いられるようになった大きな理由であろう。
その後もCTは劇的な進歩を続けており、整形外科領域においてもさらに有用な機能を獲得しつつある。本稿では、整形外科領域からみた最新CTおよび関連技術について紹介することとする。