D 2 P with N遠隔診療(視診+聴診)システム 「スマートキュア」/株式会社スマートゲート[全6頁]

映像情報メディカル 編

500円(税込)

産業開発機構株式会社

何故、遠隔医療の普及はこんなに遅いのだろう?2017年、当社が医療向けシステムの開発に着手した頃に率直に感じた疑問だ。検査画像・電子カルテなど、静止画を情報共有する医療連携などは取り組みが始まっているが、動画を使用したオンライン医療は成功事例を検索すると海外の事例ばかりが目につく。国内は状況注視の状態で、電話診察の代わりにビデオチャットができれば良い程度の認識の医師も多く、利用用途が限定されていた。当社は第1弾のシステムを2017年秋にリリースした。その後、2018年3月に厚労省が初めての遠隔診療のガイドライン「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を策定し、遠隔医療にかかわるさまざまな利用方法の検討が一斉にスタートするとさまざまな要望があがった。たとえば、看護師だけが訪問する在宅診療や、僻地医療におけるD 2 Dのカンファレンス、総合医に専門医を加えた1対多の遠隔診療、遠隔治験、海外のインバウンド向けの遠隔診療、緩和ケアの入院患者と家族が参加するインフォームドコンセントなどである。また、既存システムの機能拡張として、高精細動画の扱いや電子聴診器による遠隔聴診の要望などがあがった。
そこで私どもでは、既存システムのビデオプラットフォームとして帯域抑制が期待できるCisco Webex Meetingsをインテグレートし、上記の要望に応じた開発をすることにした。
また大規模病院の場合、「スマートキュア」に接続するDr側の接続ポイントが通信環境として適さないことが少なくない。これは院内ネットワーク(マネージドネットワーク)の管理の悪さに起因し、遠隔診療システムが円滑に機能しない場合が多くある。たとえば、電子聴診器使用時にDrが環境の悪い院内ネットワークから接続したため、診断に適さない音しか入手できないケースがある。このため本稿では遠隔診療システム自体の記述に限らず、ネットワーク環境の記述も含め、「ネットワーク要件について」、「遠隔診療のシステム要件(バースト抑制と帯域抑制)」、「遠隔診療システム「スマートキュア」について」、「機能詳細について」の項目を説明する。