整形外科領域の超音波活用/藤田浩二(東京医科歯科大学大学院)[全4頁]

映像情報メディカル 編

500円(税込)

産業開発機構株式会社

超音波機器の発達に伴って組織構造の可視化と理解が進み、整形外科診療における超音波の使用頻度は格段に上がっている。従来から頻用されている外傷による組織損傷の評価や軟部腫瘍の診断、関節リウマチの滑膜評価だけでなく、絞扼性神経障害における神経圧迫や硬さの評価、ブロック注射や筋膜リリースなどの可視化など応用範囲は広がっており、診療における検査、診断、治療の各ステップにおいて必須の技術となりつつある。
軟部組織評価として頻用されるMRIと比較すると、診療室内で完結し、動作中の組織評価ができるだけでなく、患者の安静時間が短い、指などの小部位での描出力に優れるなど、多くの点で優位性がある。さらに機器の小型化に伴い、病院施設内だけでなく、スポーツ現場や救急・災害現場において患者のそばでの検査も可能となり、その適応範囲はさらに拡大している。本稿では、整形外科診療における超音波活用のうち、注目すべきトピックスについて詳述する。