救急領域での超音波活用/石井浩統(日本医科大学付属病院)[全6頁]

映像情報メディカル 編

500円(税込)

産業開発機構株式会社

現在、装置の小型化が進んだ超音波検査は、患者を動かさずにベッドサイドですぐに施行できるようになったため、非常に優れたPOCの検査モダリティとして注目されており、在宅診療から診療所の診察室、病院の病棟、救命救急センターの初療室、集中治療室に至るまで、それぞれの日常診療において、すでに欠かすことのできない検査装置となっている。それぞれの臨床現場では、必要な時にベッドサイドで超音波検査を行い、診療を進めていくPOCUS(Point-of-Care Ultrasound:POC超音波)が施行されている。さらに、元来超音波検査はその特性として、静止画を撮影するだけでなく動画も撮影できるため、心臓、肺、消化管、血管など動きのある臓器を動的に評価することで、それらの臓器の生理学的な評価をしうる潜在性があった。心臓超音波検査は、まさにその特性を利用した代表例であるが、超音波検査が潜在的にもつ生理学的評価の機能をより高め、心臓のほかにも、肺や下大静脈などの超音波検査所見を生理学的モニタリングに応用した機器も、近年上市されるに至っている。