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超音波検査(Ultrasound:以下、US)は侵襲のない安全な検査として、外来診療や検診に広く用いられており、膵癌診療ガイドライン2016 年版でも膵癌のスクリーニングのためにUS を行うことが提案されている。
一方で、USは空気の存在によりその伝達が妨害される特性を有し、診断能は診断装置や検査担当者の技能に影響を受けやすいという特徴も有する。なかでも膵臓は体腔の深部に存在し、解剖学的にも多くの臓器に隣接していることや、その前面に消化管ガスが存在することなどからUSによるスクリーニングが困難な臓器とされている。これらの問題点に対処するには、高解像度の診断装置の開発や検査担当者に対する教育ならびに技術指導が重要である。本稿では、2018 年にGEヘルスケア・ジャパン株式会社より発売となったLOGIQ E10を使用した、USによる膵臓のスクリーニングの現状と課題について解説する。