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2016年9月から2019年1月までの期間に、国際医療研究センター小児科診療科長の七野浩之先生に召喚いただき、ベトナムを3回、インドネシアを1回訪問し、小児がん診療能力強化事業の取り組みに小児腫瘍外科医として参画する機会を得た。
現地に赴き、診療環境・設備を視察し、診療の現場で小児がん治療に従事する医師やコメディカルチームとのディスカッション・意見交換を通して、開発途上国における小児がん医療の現状とそれぞれが抱える課題や問題点について少しずつではあるものの理解しはじめている。さらに事業の一環として、2018年10月から約1ヵ月にわたりベトナムから2名の若手小児外科医を東京に迎え入れ、筆者の施設における小児がん診療を見学していただいた。期間中彼らと多くの時間を共有し、小児がん診療、小児外科診療の日常から彼らの思い描く将来にいたるまで、現場の声を聞くことができたのは非常に貴重な経験だった。
本稿では事業に参加して外科医の立場で経験し感じたことを紹介したい。詳細な事業報告は他の執筆者に譲り、主に現場の若い医師との会話を通じて感じたことを書き連ねてみたいと思う。