耳鼻咽喉科・頭頸部領域でSMIをどう活用するか/福原隆宏(鳥取大学医学部 感覚運動医学講座)ほか[全4頁]

映像情報メディカル 編

500円(税込)

産業開発機構株式会社

一般的に、組織血流や腫瘍血流を評価するには、造影剤を注射しComputed Tomography(CT)やMagnetic Resonance Imaging(MRI)、血管造影検査(Angiography)をおこなう必要がある。これらの手法は、時間も費用も嵩み、副作用の危険性もあるため患者への侵襲も大きい。それに比べ超音波ドプラ法は、侵襲なく、リアルタイムに体内血流を評価できる非常に優れた手法である。しかし超音波ドプラ法は、対象以外の動きがアーチファクトとして入りやすいという弱点があった。特に低速の血流は、モーションアーチファクトが入るために
評価が難しかった。新たに開発された、CanonのSuperb Micro-Vascular Imaging(SMI)は、体動などのモーションアーチファクトの特徴を識別し、選択的に除外することができる機能をもつドプラ法である。当科ではAplioTM 300(Canon Medical Systems co. 大田原, 栃木, 日本)を使用し、プローブはPLT-1005 BT 10 MHz(Canon Medical Systems co. 大田原, 栃木, 日本)を使用した。SMIによって、われわれは体動を気にせずに低流速の血流まで評価できるようになった。