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病変内のより細かな血流像を観たい。しかも、より簡単に観たい。それに応えてくれるのがキヤノンメディカルシステムズAplio seriesに搭載されているSuperb Microvascular Imaging(SMI)である。
病変内の血流評価は、超音波映像化技術の進歩により、カラードプラ、パワードプラ、Advanced Dynamic Flow(ADF)を経て、現在はSMIへと進化してきた。
SMIは従来のカラードプラに比較して、より低流速、高分解能、モーションアーチファクトの軽減、あるいは高フレームレートなどの長所が挙げられる。SMIはカラードプラと同様に、ボタンを押せば直ちにSMIモードに入ることができるので、カラードプラとほとんどまったく同じ感覚で使用することができる便利な手法である。
SMIの表示法には、monochrome SMI(mSMI)と、color-coded SMI(cSMI)がある。筆者は、より繊細な血流像を捉えることができるmSMIを好んで多用している。
mSMIでは背景Bモードが表示されない。対象が比較的小さな病変の場合は、通常2画面表示によってターゲットを見失わないようにして施行することができる。一方、大きな病変の場合は、1画面表示としてregion of interest(ROI)を広げて病変全体の血流像を捉えたい。この場合、病変部と周囲非病変部を含めて、きれいにROI設定ができているかどうか注意が必要である。
また、超音波診断用造影剤であるソナゾイドを用いた造影検査を施行する場合、通常のlow MIによる造影検査に引き続き、ほとんどの症例において造影下SMIを実施している。これを本稿ではcontrastenhanced SMI(ceSMI)と称する。ceSMIは、背景のBモードとSMIモードの両者のMI値を低音圧(MI値 0. 2程度)とし、カラーゲイン、ダイナミックレンジなどのパラメータを適切に調整して検査を行っている。