MDCTの登場、そして21世紀目前のMRI(2000年座談会:MRI研究のヒントより)[全8頁]

映像情報メディカル 編

500円(税込)

産業開発機構株式会社

「ルーチンクリニカルMRI」最初の座談会で、2000 年に東京で開催された。座談会の前半では、マルチスライスCTの登場を意識したMRIの意義に関するディスカッションが主体。後半ではECVO (elliptical centric view ordering) やinteractive MRIなどの話題も登場する。この最初の座談会が掲載された「ルーチンクリニカルMRI」では、片田和廣先生の総説「CTとMRI~似て非なる兄弟~」が話題となった。最後にその総説から幾つか名言を引用したい。マルチスライスCT 時代のMRI が向かうべき方向性は、「MRIの特徴を活かした、MRIならでの用途 ~すなわちコントラストと機能情報~ を中心に据える」ことである。CTはその発達により気脳造影や脳室造影を葬り去り、また大した経験もなく誰もが美しい3次元画像情報が得られるなど一貫して「専門家を排除し、診断を容易にする」方向に発達してきたのに対して、MRIは次から次へと開発される新しいシーケンスやアプリケーション、装置 (ハードウェア) によりCTとは逆に「専門家の需要を増やす」方向に発達してきている。CTとMRI、似て非なる兄弟は今後もお互いに刺激し合いながら画像診断を支えていくであろう。