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2次元(2D)speckle-tracking法は、心拍動に伴う局所関心領域(template)の画像情報(speckle)の移動をフレームごとに自動追従し、2点間の移動変化率(= strain)により心筋線維の収縮の程度を求め、左室全体および局所心筋の心機能を客観的および定量的に評価できる方法である。長軸方向のglobal longitudinal strain(GLS)は、左室駆出率(left ventricular ejection fraction:LVEF)では評価できない収縮異常も評価でき、詳細な機能評価や予後評価に用いられている。また、time-strain曲線より心筋局所の最大strain値到達時間を計測することにより、post-systolic shortening(PSS)やdyssynchronyの有無など時間成分の評価も可能になる。
近年、3次元(3D)speckle-tracking法の技術の進歩により、より正確な左室容量、形態変化、収縮能異常、dyssynchronyなどの詳細な壁運動異常が簡易に解析評価できるようになった。さらに左室のみでなく右室、心房を含めた四腔全体を同時に解析し表示することが可能な3D speckle-tracking法であるQuad chamber Tracking(QCT)が開発され、単一心腔の機能のみでなく、左室・右室間、心室・心房間の機能障害の関連なども検討することが可能となり、今回、キヤノンメディカル社製の心臓超音波検査装置『Aplio i900』のQCTを用いて種々の症例にについて検討した。