心筋CT perfusionの臨床応用/田邊裕貴/城戸輝仁(愛媛大学医学部医学系研究科 放射線医学教室)[全6頁]

映像情報メディカル 編

500円(税込)

産業開発機構株式会社

冠動脈CTは冠動脈狭窄評価に高い診断精度を有しており、非侵襲的な冠動脈疾患のゲートキーパーとして本邦では年間40万件以上の検査数が施行されている。しかし、冠動脈狭窄を認めた場合でも必ずしも心筋虚血を来している訳ではなく、心筋虚血の有無・重症度を評価し、適切な治療方針を選択することが重要であることはすでに知られている。現在、心筋虚血の評価は心筋シンチや心臓MRIなどを用いて行われているが、検査枠の問題などもあり、冠動脈疾患が疑われたすべての症例に対して心筋灌流検査が施行されているわけではない。
そこで、われわれは薬剤負荷を組み合わせた心筋CT perfusion(CTP)を考案し、冠動脈CT検査に組み合わせることで1度のCT検査で冠動脈疾患に必要な冠動脈狭窄と心筋虚血を同時に評価する評価法を検討してきた。本稿では、心筋CTPの現状と当施設で稼働している各CT装置やワークステーションを用いた心筋Dynamic CTPの臨床経験を中心に概説する。