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当社は、2011年、軽量・堅牢を特徴とした可搬型DR『AeroDR』(半切サイズ)の発売を皮切りに、1717サイズ(フルサイズ)、1012サイズ(四切サイズ)へとサイズのラインナップを拡充し、2014年には、さらなるハードユースに耐えながら、より広範囲の環境でお使いいただけるよう、機能・性能向上を徹底的に追求し、防水性能IPX6の確保や堅牢性を一層強化した『AeroDR PREMIUM』を発売した。2016年より、X線撮影の低被ばく化と画像の高画質化を高次元で両立するべく、世界最高レベルのサンプリングピッチ100μmの実装による高感度・高精細を実現。同時に、筐体構造を一新することによって、米国国防総省の規格「MIL-STD-810 G」に準拠した1.22mからの落下試験をクリアする高い堅牢性能をもつ『AeroDR fine』(1417サイズ、1717サイズ、1012サイズ)を発売。さらに、同時期に新たに開発、実装した画像処理エンジン「REALISM」との組み合わせで、解像度を最大限に生かす高鮮鋭化を実現し、診断精度の向上に寄与。一般撮影だけでなく、回診、在宅、災害、検診、クリニック等、さまざまな利用シーンを想定したシステム環境を提供しDR市場を牽引してきた。そして、2018年11月、当社DRのフラグシップモデルである『AeroDR fine』を用いて動画像の撮影を可能とする「デジタルX線動画撮影システム」を開発。撮影されたX線動画像に対してさまざまな画像処理を施すことで診断価値向上に貢献する、X線動画解析ワークステーション「KINOSIS」を発売した。昨年9月に厚生労働省から発表された「平成29年(2017)人口動態統計(確定数)」によると、日本人の死亡原因の1位は「がん」であり、それを部位別にみると男女ともに「気管支および肺」が1位となっている。また、主にタバコを原因とした肺疾患である慢性的に息切れや咳を引き起こして死に至らしめることもあるといわれる慢性閉塞性肺疾患(COPD:
Chronic Obstructive Pulmonary Disease)については、WHOにより2030年までには世界の死因の第3位を占めるようになると推測されている。このような国内外を問わず深刻である肺疾患に対し、広く簡便に行われている胸部X線検査において動画を提供することによって、疾病の早期発見や治療に貢献したいと考えている。
本稿では、デジタルX線動画撮影システムの特徴と、「KINOSIS」のもつ機能の概要について紹介する。