日本語学2018年12月号(特集:日本語史の時代区分)vol.37-13

宮地裕 監修, 甲斐睦朗 監修

1,210円(税込)

明治書院

◆日本語史の時代区分

日本語史の研究においては、近年、文法・語彙などの具体的な変化現象に即した、実証的・理論的な解明が進んでいる。一方で、歴史の全体像をとらえるために必要な、種々の現象を束ねたときに見えてくると思われる時代区分の研究は、必ずしも進んでいない。本特集では、時代区分の目的や意義、それを実践する方法とその限界、時代区分を行った先に見えてくること、見えなくなることなどについて、日本語史上のいくつかのトピックを取り上げて考察する。

〇ことばの時代区分とは何か 沖森卓也

〇「奈良時代語」と平安時代語犬飼隆

〇日本語史をふたつにわけること 大木一夫

〇条件表現史から見た近世  矢島正浩
 ――時代区分と東西差から浮かび上がるもの――
 
〇書きことばの史的変遷 今野真二

〇近代語から現代語へ 間淵洋子
 ――多様性許容の時代から画一性追求の時代へ――

【投稿(実践報告)】

〇「対話的な学び」を用いた史伝教材の活用 樋口敦士
 ――「項羽論賛」を踏まえて─

【連載】

[ことばのことばかり]はんざわかんいち
[校閲記者のこの一語]和田雄一郎
[漢字を追いかける]笹原宏之
[百人一首を味わう]荻原千鶴・内藤明