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近年CTの性能は飛躍的な進歩を続けており、これに伴いCT検査は画像診断の中心を占め、国内では年間約3千万件程度実施されている。そのような状況において、CT検査の被ばく線量は他の検査と比較して高いことが懸念されている。そのためCT検査を実施するにあたっては、医療被ばくの影響を十分に考慮する必要があり、国際放射線防護委員会(International Commission on Radiological Protection:ICRP)の勧告や国際原子力機関(International Atomic Energy Agency:IAEA)の安全基準など国際的な指針においては、適切な被ばく線量の管理のために診断参考レベル(Diagnostic Reference Level:DRL)を使用することが推奨されている。本邦においても2015年に医療被ばくに関連する学会、団体などで組織される医療被ばく研究情報ネットワーク(J-RIME)から医療被ばくの線量指標を示した診断参考レベル(DRLs 2015)が公表された。
診断参考レベルを運用するためには、検査時の被ばく線量を把握しその妥当性を正しく評価することが求められている。本稿では、診断参考レベルをワンストップで運用できる被ばく線量管理ツールとCT検査の医療被ばくに関する近年の動向について解説する。