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原子核物理学者・水戸巌は、世界中が原子力発電の夢に酔っていた時代に、いち早く専門家として原子力発電の危険性を力説し、建設反対運動の現場に寄り添い、地域を駆け巡って反対を説き、反原発運動の黎明期を切り開き、その生涯をかけて闘いぬいた。
原発推進派や御用学者たちの冷笑と中傷の中で、水戸巌は破局的事故が起きる可能性について理路整然と指摘し、周辺で生じる被害についても警告を発し続けた。彼の分析の正しさは、チェルノブイリ原発事故、福島第一原発事故で悲劇として、本人がもっとも望まない形で、ものの見事に実証された。
本書は、彼の論文・講演・裁判関連の文章を集め構成したものである。その文章の端々から、フクシマ以後の放射能汚染による人体への致命的影響が驚くべきリアルさで迫ってくる。