エラーが発生しました。
大阪警察病院(大阪市天王寺区、許可病床580床)は昭和12年に大阪府警の職域的な病院として誕生した病院だが、当初から職域病院としての役割より、地域医療の基幹病院としての役割を担うようになり、周辺の医療機関と連携して地域住民の健康を支えている。
当院の乳腺外科は新患602人、年間乳房手術数は約150件であり、1年間に約2,500件(市民検診:約250件)のマンモグラフィの撮影を行っている。
また、多職種で構成されるブレストケアチームにより、チーム内で連携して質の高い医療・看護を提供できるよう努めており、乳がんの啓発活動も積極的に行っている。当院では、2012年5月にAMULET(富士フイルム社製)を、2016年3月にAMULET Innovalityを導入し、現在2台の装置でマンモグラフィの撮影を行っている。AMULET Innovalityはトモシンセシスの撮影ができ、乳腺の重なり部分やFAD等に有用であるため、乳がん発見率が向上し、偽陽性を減少させる効果が期待されるため導入した。
日本人女性の乳がん検診の受診率は36.9%(2016年)と欧米などの他の先進国に比べると低い。その理由の1つに「撮影中痛かった(痛いらしい)」があげられる。このためマンモグラフィを敬遠し、一度も受診していない方もいる。しかし、その中にはあまり痛く感じない方もいるかもしれない。撮影時の痛みを低減することは乳がん検診の受診率を上げることにつながり、乳がんの早期発見のために重要な役割を担う可能性がある。
今回、AMULET Innovalityに痛み低減を目的として新しく搭載された圧迫自動減圧制御Comfort Comp機能“なごむね”の臨床確認を2017年10月から共同研究として行ったので、“なごむね”の使用経験と今後の課題について報告する。