フクシマの荒廃─フランス人特派員が見た原発棄民たち

アルノー・ヴォレラン/神尾賢二 著/訳

2,376円(税込)

緑風出版

救助隊の出番は終わった。
今は清掃作業員、除染作業員の出番だ。彼らには顔もなければ言葉もない。彼らは話さないし、何も表現しない。存在していないのと変わらない。もう何週間も前から、友人であり通訳でもある龍介と私は、亡霊と化してしまった地域の奥に潜み、こちらを窺う「目に見えぬ敵」との日々について書くため、この名も無き人たちに会おうとしている……。
本書は、フランスの日刊紙『リベラシオン』の特派員が、福島第一原発事故の除染・廃炉作業に携わる労働者などフクシマの棄民たちから原子力村の面々までを独自の取材とインタビューでまとめた迫真のルポルタージュである。(2016.10)