FDG検査における放射性薬剤投与装置 使用時の投与量精度に関する検討/小野欽也[全5頁]

映像情報メディカル 編

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産業開発機構株式会社

現在国内のFDG検査数は年間46万件と推測されており、年々増加傾向となっている。そのほとんどは腫瘍検査で、なかでも肺がん、頭頸部がん、乳がんの割合が多い。FDG検査の効能効果としては、腫瘍検査以外にも心筋検査やてんかん検査が認められており、2018年にはデリバリーFDG製剤で、大型血管炎の診断も追加承認された。大型血管炎におけるFDG検査の有用性は2018年3月に発行された血管炎症候群の診断ガイドラインにも記載されており、今後の臨床応用が期待されている。ただし、保険診療でFDG検査を施行する際には、各疾患における適応条件が定められているので注意を要する。
国内でFDG検査を施行している施設は約390施設ある。そのうち約3割は自施設製造のFDG製剤を使用し、約7割はデリバリーFDG製剤を使用(自施設製造施設の併用も含む)しており、その数は約350施設と推測されている。これらデリバリーFDG製剤を使用している施設の多くでは、投与時の従事者被ばく低減を目的として、放射性薬剤自動投与装置が使用されており、装置内にセットされたデリバリーFDG製剤を全量投与するUG-01(製
造販売元:株式会社ユニバーサル技研)を使用している施設がほとんどである。現在、デリバリーFDG製剤は国内2社から販売されており、使用されている製剤バイアルのサイズは10mL(A社)、5mL(B社)と異なっている。UG-01は先行して販売されていたB社の5mLバイアル製剤に対応するように作られているため、後発のA社の製剤には対応していない。このため、新たにUG-02(製造販売元:株式会社ユニバーサル技研)が開発された。UG-02は投与時のパネル操作に10mLバイアル製剤/5mLバイアル製剤の選択機能があり、両社のデリバリーFDG製剤が投与可能である。当院では2018年4月より新規にPET/CT検査を導入し、UG-02を用いて臨床検査を行っている。
UG-02には装置内部の半導体検出器を用いて、投与前後の放射能量から投与後のバイアル内残留率(%)を算出する機能が付いているが、その精度についての報告はなされていない。