Dual Energy CTの初期臨床経験~胸部領域を中心に~/西原礼介ほか[全5頁]

映像情報メディカル 編

500円(税込)

産業開発機構株式会社

2017年11月、当院のGE Healthcare社製256列Revolution CTでdual energy CT(DECT)撮影が可能となった。DECT は、同一対象を2種類の異なるエネルギーをもつX線で撮影する方法であり、従来のCTより高精度な物質弁別が可能となる。メーカ各社で独自の方式があるが、X 線管球側で2種類のエネルギーのX線を発生させる方
式と、検出器側で2種類のX線データに分離する方式に大別される。前者の方式として、①2回転(rotate-rotate)方式、②分離フィルタ方式、③2管球(dual source)方式、④高速管電圧スイッチング(Fast kVp switching)方式、後者の方式として、⑤ 2層検出器(dual layer detector)方式があげられる。当院のRevolution CT は④高速管電圧スイッチング方式である。これは2種類の管電圧(80kVpと140kVp)を高速で切り替えることで2種類のraw dataを高密度に収集し、位置ずれや時間軸のずれのない撮影をする方式である。詳細に関しては他稿を参照されたい。Dual energy CTで得られた情報を利用し、仮想単色X線画像、物質密度画像、スペクトラルHU 曲線、実効原子番号画像など臨床に有用なさまざまな解析画像を得ることができる。本稿では、導入後約半年の少ない経験ではあるが、当院でのdual energy CTの運用法や臨床症例について紹介する。