構造的心疾患診療に求められる心臓CT画像/森 俊平[全6頁]

映像情報メディカル 編

500円(税込)

産業開発機構株式会社

心房中隔欠損症や重症大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル治療に代表されるように、成人先天性心疾患・構造的心疾患に対する診療は急速な拡大を見せている。低侵襲的治療が続々と導入され、一般化していく時流のなか、同じく急速に発展を遂げている画像診断技術が期待される役割は非常に大きい。
構造的心疾患診療の鍵となるのは、文字どおり“構造”の理解である。あまねく侵襲的手技ならびに治療においては、個々の症例における3次元解剖の正確な理解が、合併症の回避ならびに手技成功を担保する。ハートチームの一員として、心臓画像にかかわる循環器内科医、放射線科医、放射線技師は、基本となる“構造”を真摯に再訪する必要があるだろう。すでに剖検心解剖や、2次元放射線解剖に基づく“構造”の理解だけでは物足りないレベルで、日常臨床診療は行われている。
心臓CT領域の進歩は著しく、循環器内科領域でも、生体の3次元画像を日常的に臨床に還元することが求められる時代が来ている。本稿では主に心房中隔欠損症の生体心解剖に焦点を当てて、構造的心疾患診療における心臓CT画像の実際を、循環器内科医の立場から提示したい。