乳腺疾患におけるSMIの臨床的有用性の検討 ―MRIとの対比を含め―/松林(名本)路花ほか[全5頁]

映像情報メディカル 編

500円(税込)

産業開発機構株式会社

当院では、2014 年、新規発足した超音波・生理検査センターに東芝メディカルシステムズ株式会社(現キヤノンメディカルシステム株式会社)の超音波診断装置(Aplioシリーズ)を導入、Superb Micro-Vascular Imagingが乳腺疾患にも使用可能となった。
SMIは従来のドプラ技術では、血流以外の対象物由来の不要なドプラ信号によって描出が困難であったような、低流速域の血流を描出する技術である。このSMIにより、微細低流速の血流を高分解能で描出することが可能となった。
当院では乳腺疾患の精査症例が多く、必要に応じ、初診時に針生検等の組織検査まで施行される症例も多い。迅速かつ適切な診療へとつなげる第一歩として、初診超音波検査時の詳細な評価は不可欠となっている。時間的にも制約のあるなか、迅速かつスムーズに、過不足のない効率的な検査が必要となるが、Aplioでは通常のCDI・PDI、さらにAdvanced Dynamic Flow(ADF)に加え、SMIも即時に起動することが可能であり、エラストグラ
フィでの評価も合わせ、組織学的良悪性を必要とするような腫瘤の鑑別に有効性を発揮している。
本稿では、乳腺腫瘤の診断におけるSMIの応用例を提示し、MRI画像との対比も含め、その臨床的有用性について検討した。