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世界的にさまざまな分野でクラウド化は急激に進んでおり、医療業界においても多少の時間差はあるが確実にクラウド化の波は進んできている。しかし、こと画像に関してはデータ自体の大きさが障害となり、なかなかクラウド利用が進まない現状がある。しかし、モダリティの進化によって画像データの肥大化は加速度的に進んでおり、画像データのクラウド移行は必須になってくると考える。
PACS業界にクラウドという言葉が使われるようになったのは2012年ぐらいからであり、最初は外部バックアップを目的としたサービスの提供からであった。東日本大震災の教訓で施設内だけでデータを保管・管理するのではなく、複数拠点で医療データをバックアップし、災害時におけるデータ消失を防ぐニーズが高まってきたためである。その後、データ保管だけではなく、保管したデータをダウンロードして活用するサービスとして、ハイブリッド型のクラウドPACSが複数社により提供を開始した。これは施設内にキャッシュサーバを設置し、プライマリデータを保管しているクラウドサーバから必要な時に画像データを取得するモデルである。検査オーダー情報によって画像の事前取得機能(プリフェッチ機能)などを活用し、データ取得時間を感じさせない工夫を行っている。弊社ではこれらのクラウドモデルとはまったく異なる「フルクラウド型PACS」というサービスを提供している。このモデルはすべてをクラウド上で実施(保管・管理)するため、画像を参照するクライアント側は院内・院外の概念自体が存在しない。このモデルを提供する上で欠かせないIT技術が仮想化技術である。