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近年、人工知能の画像診断への応用が期待され、教師データとしての画像データの収集が各研究機関において実施されようとしている。本来、患者の個人情報である画像データをこのような目的で2次利用するためには画像データの匿名化が不可欠である。医療機関における画像データの匿名化の実態につき若干の知見を得たので、問題提起を兼ねて報告する。
われわれは、2008年に開始した遠隔読影ASPサービスで培ったクラウドICT技術を活用し、2013年6 月より研究会向けクラウド型供覧画像配信サービス提供を開始し、現在に至っている。研究会での供覧画像は、演題発表者からDICOMデータCD-ROM(PDI)として提出されるが、このPDI に保存されたDICOM 画像に施される匿名
化の程度は不十分な施設が多い。さらに、匿名化が不十分な点について各施設の認識が低い点が課題であるのが現状である。われわれは、本サービス提供開始当初から、DICOM画像の匿名化が今後の医療画像データの利活用(2 次利用)に関して重要な課題となることを推察し、サービス提供開始当時から現状調査を開始した。