エラーが発生しました。
MRIの高速撮像技術はマグネットの高磁場化、傾斜磁場強度やSlew Rateの向上といったMRI装置のエンジン部分ともいえるハードウェアのパワーアップによって進められた。1990年に入ると受信コイル素子の高密度化を元にしたパラレルイメージングが登場し、現在ではルーチンのMRI検査に欠かせない技術となっている。k-spaceの位相エンコードを数ラインおきに充填するパラレルイメージングとは異なり、データの疎性と繰り返し演算による画像再構成を前提に収集データを大幅に間引くCompressed Sensingも臨床応用され始めている。これらのほかに、従来のMRIの考え方を覆すようないくつかの手法も製品化されている。複数の断面を同時に励起・収集するSimultaneous Multi Slice(SMS)は、収集データ量を減らさずに撮像を高速化する技術で、主に拡散テンソル、functional MRIにおいて利用され始めている。本稿においては、今後より適用範囲が広がると
予想される撮像技術であるSMSとCompressed Sensing、また体動に非常に強い撮像方法でありながらCompressed Sensingと組み合わせることで高速撮像が可能になったGRASPについて紹介する。