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ICTの急速な進歩の中で、医療においてもICTを最大限利用することが求められている。人工知能(AI)、機械学習や深層学習、IoT(モノのインターネット)、ビックデータ、シンギュラリティ(Singularity)など耳にしない日がない。画像診断領域でも、Imaging Biomarker(画像の定量化)とその標準化(QIBA: Quantitative Imaging Biomarkers Alliance)、Radiomics/Radiogenomics(画像情報を系統的に扱う科学、後者は遺伝子情報が加わる)、Patient-centered MedicineやValue-based Care、Precision Medicine(個人の遺伝子情報などを含む詳細な情報を基により精密な対応を行う医療)など、放射線医学を大きく変革させる波が海外から押し寄せてきている。日本政府も2025年問題として地域医療構想/地域包括ケアを実現するために病院の再編を主導しており、さらにさまざまな医療情報の統合データベースを構築しようとしている。これから10年以内に医療が大きな変革の時代を迎えることに疑いの余地はないと考える。さて、このように医療や画像診断の急激な変革を迎えるにあたって、今、どのようなMRIが求められるのであろうか。これまでの研究活動で得られた思いに、「新しい診断技術が本当に患者さんに役立っているのか」という疑問があった。私自身に問うと「新技術は研究では使用するが、実際の臨床で活かされることは意外に少ない」という回答であった。こうして、3年前から臨床において最新技術を患者に確実に役立つための次世代型画像情報システムの開発を志した次第である。CTやMRIなどのモダリティは、病院内・病院間のシステムと連携して初めて患者の役に立つと考えている。