花売り剣客2

八神淳一 著

165円(税込)

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「花、花はいらんかねえっ」両国広小路で、今日も真央の声が辺りに通っていく。それは仮の姿。三月前、破落戸を斬った。腕が鈍らぬよういつもの廃寺で密かに竹刀を振っている──朝顔を届けてくれる生真面目な浪人新兵衛は、小料理屋の志津と恋仲に落ちていた。しかし、志津には、鬼蜘蛛の辰蔵という昔の男が付きまとう。新兵衛は志津から頼まれていた。あなただけの女になりたい、と──そんな折、胸に鬼蜘蛛の彫物をした悪漢に、真央の花売りの常連客、百合がお店の強盗ついでに処女を散らされたと聞き……著者、大人気の「剣客」モノ! 連作短編その2

【著者略歴】
八神淳一(やがみじゅんいち) ─ 熊本県生まれ。大学卒業後、雑誌編集者を経て作家デビュー。物語の面白さに独特の官能描写がからみつく作風は多くの読者を魅了。『艶剣客』は15巻まで続く代表作となり、映画化もされた。