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マルベリー(桑)は一般的には蚕の飼料として知られていますが、実は古くて新しいハーブなのです。古代ローマや後漢時代(1~2世紀)から生薬として利用され、日本では13世紀に榮西上人によってマルベリーの効能が紹介されました。しかし、機能性食品としてのマルベリーが脚光を浴びたのは、1996年の神奈川県科学技術政策推進委員会の共同研究で、糖尿病、高血圧、肥満、がんなどの生活習慣病の予防に有用な知見が発表されたのが発端です。その後、21世紀に入って健康補助食品としてのマルベリーの有用性に関する膨大な科学論文が発表され、その価値が急速に高まりました。マルベリーは桑の実、桑葉のみならず、桑根や桑枝にも薬効成分があり、本書は各部位の成分とその薬理活性、活性のメカニズム、さらには各種製品開発と生薬としての歴史にも言及した世界最初のマルベリーの専門書です。本書を通してハーブとしてのマルベリーの価値が再認識され、健康補助食品としての普及に役立つものと期待されています。